2010年5月17日月曜日

Eugene Bavinger house



高級という枠にはまらない、なんとも刺激的な作品である。はじめて知ったのが、大学の1年生の講義で。なんとも印象に残る作品であった。
とはいえ、多くが直線で構成される近代建築のセオリーからは逸脱しており、なんとなく私の建築のイメージにおいては、宙ぶらりんの存在であった。しかし、今、この住宅に俄然興味を持つ。というのも、BIM・3Dでの設計が可能となり、このような複雑な形態の建築・住宅であっても、現実的に可能となってきたからである。
ブルース・ガフの作品の中でもこの作品は傑出している。螺旋形状の外壁と屋根。内部に入ると、まずはリビングで、螺旋状の屋根を見上げる。中央には構造上のコアとなる螺旋状の壁にまきつくように階段が配置され、そして、円形の床が配置される。その円形の床は、上に登ほど、プライベートな空間となっている。
複雑さに目がくらむが、螺旋状のその構造は力学的にシンプルであり、内部空間の構成もも理にかなっている。螺旋の複雑さと構造的・空間的明快さが同居していることに、この住宅の魅力であり、ブルース・ガフの作品の中でも傑出とおもう理由である。
使っている材料・広さなどは高級住宅とはいえまいが、その思想は高級住宅の目指すところであろう。
また、図面写真からは理解するのが難しかったこのような複雑な空間が、ビデオではよくわかる。ありがたいことである。